第6章 05
雲雀は自分の足元を見てその眉間に深くシワを刻み込むと、おもむろに携帯を取り出した
雲「やぁ、草壁かい?誰でもいいから風紀委員2〜3人に…僕のマンションの床を掃除するように伝えてくれるかい?
10分以内にだよ」
相手の返事は聞いたのか?と 問いたくなる間のなさでピッと音を立てて通話終了のボタンを押す雲雀
そのまま自宅であるマンションを見上げると 心なしか少しだけ早足に自室へと向かった
エレベーターに乗り込んだ雲雀は先ほど眉を寄せた原因と同じものが足元にあるのを確認すると自宅のある階のボタンを乱暴に押した
目的の階に到着してもその眉間が力を緩めることはない…むしろ 深くなったと言えよう
何故ならばポタポタと滴る様に続いていた誰かの血痕は見事に自宅で途切れていたからである
それを目で確認した雲雀は チッと舌打ちを零すと走るわけではないが部屋へ向かう足を速めた
鍵穴を右に半回転させるが ガチャリという音も鍵が開いた手ごたえもない
またひとつ小さな舌打ちをする羽目になってしまった
「ここに入って行くアイツを見た時は驚いたが…お前ェにしては随分と焦ってるじゃねえか 雲雀」
背後からかけられた言葉に 雲雀ひ振り向きもせずに鍵を引き抜くと
雲「やぁ、赤ん坊…別に焦っているつもりはないよ
というか その口ぶりだとこの現状を説明出来るって事かい?」
背後に立つリボーンへ質問を投げかけておきながら 振り向きもせずに玄関の扉を解放した雲雀
その扉の中へ体を滑り込ませた雲雀と 許可もなく一緒に入り込むリボーン
リ「ーーーッ」
雲「グっ!?」
何の迷いもなくただ帰宅しただけの雲雀とそれについて来ただけのリボーンにとってそれは突然すぎる出来事だった