第6章 05
『ふぁーーーッ!!なにあれーーーー!!!!』
それはあまりにもいきなりであった
その場の空気に全くもって似合わない大声と注目しているさんと逆…つまり一同が振り向かなくては見えない場所を指差せば それはそれは面白いように綱吉 獄寺 山本がその方向を向いた
綱「ななななに!!?どれ?あれ?カラス???」
綱吉は大声にビクつきながら わたわたと異変を探し
山「ん??そんなにカラスが珍しいか?」
山本はニコニコ顔を崩さず平和な並盛の空を眺め
獄「何もねえじゃ……」
獄寺はすぐさま異常なしと悟りさんの方へ向き直る
獄「って!!!?てめーーーー!!!!どこ行きやがる!!!?」
が さんから意識を逸らした一瞬の隙に声を上げた本人はその場をとてつもないスピードで離脱していた
『はっはっはー!甘いな若者諸君!!今日は助かったありがとうこのご恩はまた明日って事で今日は帰ーーー』
遠のいていくさん声
綱「ちょっ!?さんちゃーーーーん!?」
あんぐり口をあけたままだった綱吉はせめてもの抵抗の様に引きとめようとするが それも虚しく…
その場に取り残された4人は時が止まったかのように固まりながらさんの背中を見送った
山「ま、あんだけ元気に走れたってことは 見た目ほど大した怪我じゃなかったって事で…いーんじゃねーの?」
なんとも言えない空気を壊す様に山本がそう口にすれば
獄「んま!!そーゆーこったな…」
獄寺はやれやれと頭の後ろに手を組む
綱吉もふぅ、と息を吐いて2人の意見に同意しようと口元を緩める
リ「……」
しかし 滅多な事がない限りポーカーフェイスを崩さないはずのリボーンが難しそうな顔でさんが去った後を凝視している
そんなリボーンを見て 綱吉はなんとなく手放しで喜べず獄寺と山本には曖昧に苦笑いをして見せた