第5章 04
『確かにな…女にゃ男に勝てねえ部分が多い
体力 筋肉 真っ向から殺りあったら敵うはずねえ
ましてや私は中坊…ガキだ』
さんはナイフを構える男から目を逸らさずに言う
「そんな女子供に刃物向けて卑怯だとでも言うつもりか?生憎今床に寝てる連中は弱くねえ…コイツ等をあしらえるテメエを普通だとは思ってねえよ!!」
敵ながらあっぱれだとでも言うのか 男は口元を上げた
『誰もお褒めの言葉なんざ求めてねえ
そもそも 田舎のチンピラ風情がいきがんな
私が言いてえのはそんな事じゃねえんだよ』
言うとさんは間合いをつめて下からナイフの肢を蹴り上げる
『私が今まで何回刃物持った相手と殺り合ったと思う?』
そしてそのナイフを奪うとそのまま勢いよく銃を持つ女へ投げた
『今まで何回人質とられて殺り合ってきたと思う?』
「ぎゃ!!」
ナイフは銃を持つ肩に当たり女は突きつけていた銃を下ろす
それを見た山本と獄寺はすかさず女を取り押さえた
だが綱吉はさんから目を離すことが出来ない
『どんなに不利な状況も 男女の差も 圧倒的な人数の差も関係ねえ』
さんは驚いたままの男の喉元を殴りすぐに腹部を蹴る
相手は壁に身体を打ち付けると喉を抑えながらズルズルと床へ這いつくばった
その無防備な男のこめかみを右脚で蹴り飛ばし 反対側に倒れそうになった顔面の中心 鼻におもいきり左膝を打ち込めば男はズルズルと無惨に倒れた
『私の強さはナチュラルボーンなんだよ
一つ良いこと教えてやる…次からはすっぽ抜けねえようにナイフは逆手に持つんだな』
鼻と口から血を流し 白目をむいた男に背を向けさんはタバコに火をつけた