第5章 04
『どうしたァ?別に驚くことじゃねえはずだ…世の中いろんな種類の人間がいるんだ
子供が大人に勝つことなんざ珍しいことでも何でもねえさ』
鼻血を垂らし伸びる男の髪を掴んで引きずる少女に心底驚いた顔の男たち
さんは リーダー格の男が奥の部屋に入ってすぐ 1番近くの男の鼻頭目掛けて膝蹴りを見舞った
『あのオッサンが向こうに行ってさあて殺り合いましょうよーいドンってのを期待してたか?
そんな顔してお利口か?お前らは…』
急所に思い切り膝が入った男は意識を飛ばしている
「ふ、、、ふざけんなぁ!!」
叫びながら銃を構えた男に伸びた男を盾にして見せたさん
『どうした?撃てよ?ほら?撃ってみろ…
ブルっちまったか?』
ニヤリと笑えばグッと押し黙る男
「このアマ…卑怯な真似しやがって」
『はぁ?卑怯?おまえら一丁前なのは格好だけか?
女相手にこの人数揃えといて卑怯はねえだろ?なぁ』
さんは言いながらしゃがむと後ろから襲いかかってきた男をかわす
男が持っていたパイプ椅子は本来当てるはずだったさんではなく銃を構えた男とついでにその隣の男にも直撃した
『ハッ…仲間割れかよ?』
そしてしゃがんだ状態から椅子を持った男の懐に入り顎に自身の頭をぶつけた
あまりに滑らかな動きに大の男達も驚きを隠せない
バァン!!
「殺ってやるァ!!!!」
1人の男が撃った弾丸がさんの肩を掠った 突然の銃声に仲間達もその男を振り返る
『あのなぁ、頭に血ィ登らして本来の目的忘れちゃあいねえか?
私は人質だろうよ?ん?
バカに銃持たすとロクなことねえんだよ…そう思うよなぁ?』
撃たれれば痛みは必ずつきまとうはずだ
だが さんは顔を歪ませることなく震えながら銃を構える男にゆっくり近付いた
周りの男達はさんの言うとおり殺すわけにはいかないと どう手を出すべきか考えているようだ