第3章 02
さんはランボの牛柄の服の背中をつまむとヒョイと持ち上げた
?「すみませんっ!!大丈夫です……ひっ…!?雲雀さんっ…!!」
駆け付けた気弱そうな少年はさんよりも先に雲雀に目が行きたじろぐ
だが、当の雲雀本人は少年には興味ないとばかりに無視を決め込みさんを見る
?「十代目っ…アホ牛は……」
?「おーい…ツナぁ」
その後に切羽詰まった様に追いかけて来た少年と、マイペースに呑気な声を上げていた少年も合流した
『コイツ…てめぇ等の?』
さんは若干俯きランボを差し出す
その表情は伺えないが さんにつままれているランボが泣くのを我慢している表情から穏やかではない事が解った
?「ひっ…雲雀さんっ…すみません…」
ひ弱そうな少年はさんではなく雲雀に謝っている
そんな少年を見てさんは舌打ちをすると、顔を上げた
『おいガキ…コイツ早く引き取れ』
さんは恐ろしく無表情でランボを突き返すと雲雀に『行くぞ』と短く促した
?「すっ…すみません…」ビク
そんなさんに少年はびくつきながらランボを引き取る
?「オイッ!ソコの女っ…十代目にガキとはどういう了見だ!」
せっかく我慢したさんを 不良のナリをした少年が引き止めた
その言葉にさんは眉をピクリとさせる
その光景を、雲雀は面白そうに見ていた
『何か文句あんのか?』
「大有りだっ!!十代目の…「うわぁぁあ…獄寺くんっ…!今のは俺が悪いんだから…」
…しっ…しかし…」
さんの怒気を含んだ物言いに気弱そうな少年は、不良少年を止めた
「あの…すみません…
足…大丈夫ですか?」
少年は、さんの赤くなったスネを見て眉を下げて謝った
『あぁ…解ってくれりゃ良い』
さんはフッと一瞬だけ口元を上げると、止めていた足を雲雀の元へ運んだ
雲「君達…いつまで群れてるつもりだい?
咬み殺されたいなら話は別だけど、僕も暇じゃないんでね…早く教室に戻りなよ」
さんが近づいて来るのを確かめながら 雲雀は少年達に助言をすると二人は歩きその場を離れた