第3章 02
【並盛中学校】
まだ辺りには生徒の影はなく、部活の朝練に来る生徒すらまだいない
『恭弥… ンな早く学校に来てどうすんだよ?
教師様にどやされんぞ』
普通に考えれば、生徒はおろか、教員すら学校にいないのだからさんの考えは当然だろう
「僕が怒られる?フンッ…そんな事が出来る人間は並盛にはいないよ」
『バカか…不良だって今日日、先生様に逆らえない小便タレばっか…
「ヒッ…!?」ーーーあ!?』
雲雀に舌を出して反論するさんだったが、後ろから聞こえた声に振り返った
そこに立つのは教員らしき人間
教「ひ…雲雀さん
おは…おはおは…おはようございます!!今日は一段と、おっ…お早いご到着で…」
どもりすぎだ
雲「別に…用事があるから来ただけだよ」
なんと言う事か…
『(教師が一番小便タレでした 本当にありがとうございました
教員の面目丸つぶれじゃねぇか!!)
…恭弥行こう』
さんは雲雀に先へ行くよう促し、可哀相なくらいガタガタと震える教員を横目に歩き出した
『っつーか恭弥…?こんなに朝早くから何するつもりだよ?』
さんはあるきながら雲雀の顔を覗き込んだ
雲雀は、何も答えずにグランドを抜けて校舎の方を目指す
それに遅れまいと、さんは急ぎ足で雲雀を追った
『な~ぁ…恭弥…シカトすんなよ!!』
雲雀の足が速いのか、さんの足が遅いのか…
上履きに履きかえ校内に入る雲雀と外履きのまま土足で追いかけるさん
「さん…靴脱いでよ」
そんなさんに雲雀は土足を注意する
『え?靴脱ぐの?』
だがさんはキョトンと首を傾げ
『そっか…学校ちゃんと来るの初めてだから…』
そしてフムフムと頷きながらその場で靴を脱ぎニパっと笑って見せた
「………」
『ところでさ、ドコ行くんだ?』
さんは無言でコッチを見ていた雲雀に再度質問をする
「応接室…」
それだけ答えて、再度雲雀は歩き出した
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