第2章 01
『私?
私は鬼だなんて呼ばれてる…』
さんが言うと緊迫した部屋が更に張り詰めた
「…お…君は何を…?」
雲雀はさんの言葉をきいて頬に冷や汗を垂らした
『………ふっ』
しばしの沈黙の後、さんが軽く鼻を鳴らした
すると、それまでの重かった空気がスッと軽くなる
雲雀は無意識にいれていた肩の力をやっとの事で抜き、さんを見た
『ぷッ…!!なんつってーーー!
悪かった!ツイね…
だけどこの程度でビビっちうならてめぇは私にゃ勝てない』
さんは先程までの表情がまるで別人だったかの様にまた元のあっけらかんとした表情に戻っている
「ふぅ…本当に君は何者なんだい?」
雲雀がため息混じりに再度質問をすると、さんは自虐的に笑って『どうだか』とだけ答えた
そして、ソファに腰をかけ直すと足を組み雲雀の目を真剣に見る
『恭弥…お前が私を知りたいと言う気持ちも解らなくもねぇ
けどな…人には触れられたくねぇモンがあんだよ…』
そうさんが言うと、雲雀は少しだけ間をおいてため息を吐いた
『その内……気が向いたら…あるいは…ってか、』