第2章 01
-雲雀視点-
目の前の少女に目をやった
一瞬背中が凍る感覚に襲われる
先程までのあっけらかんとした彼女はソコにはおらず、威圧的な瞳でコチラを見ている
まるで腹を空かした獰猛な肉食獣の檻に放り込まれた感覚だ
生まれて初めて感じた
‘恐怖’
と言う感覚…
僕の本能が言っている
早くこの子から離れろと
だけど、本能とは裏腹に気持ちはこの人物が ナニモノ なのか知りたい
意を決してゴクンと唾を飲み込めば、イヤに部屋に響き渡る
今どれくらい時間が経った?
数秒程度?
それとも数分経ったのか?
体内の感覚まで麻痺させる彼女の殺気はもう、僕には限界だ
「き…君は何者だい?」
やっとの思いで出た言葉
彼女はその言葉を聞くと口元を上げた
『私?
私は鬼だなんて呼ばれてるよ…』
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