第2章 01
「少年って言うの辞めてくれる…?
僕の名前は雲雀恭弥…
そして、ここは僕の住まいだよ」
少年、もとい雲雀はさんを見ずに言い放った
『僕の住まいって…
でもあの部屋は寸分違わず私の部屋だ
恭弥の家と私の家がくっついたとでも?そう言いたいのか?
ハリウッドもビックリな設定だぞ、おいっ!!』
既に落ち着き、テーブルの上に積まれた資料に目を通す雲雀に対してさんは喚く
『だいたいココはドコ?』
「だから僕の家だって…」イラッ
『地名だよ』
「並盛…」イライラッ
『牛丼の話はしてねぇ』
「違うよ…」イライライラッ
突っ掛かるさんに対し、雲雀は苛立ちながらも丁寧に返事をする
ふぅ…と息を吐き、雲雀は立ち上がると
「ねぇ…君さ、大人なんでしょ?
少しは落ち着いたらどうだい?」
そう言って、自分の分とさんの分のコーヒーをテーブルに置いた
それに続いてさんも誘導されるままに雲雀の向かいに座った
「僕も信じられないよ…
でも否定しても現状は変わらないでしょ
君の部屋が僕の家の空き部屋に繋がった…それが事実だよ
はぁ…引っ越し業者を入れるのも面倒だね…
君…あては?」
さんは雲雀の考えが読めず、目をパチパチとさせた
『あて?なに?』
そして急に質問された事により無意識にでた返事は間抜けたものになる
「はぁ…」
そんなさんに対し雲雀は小さくため息を吐き出した
「僕は強い動物は嫌いじゃない…男も女もね…
それに、僕の邪魔をしないならこの部屋は使っても良い
どうす『ちょいと待てぇ!!』イラッ」
雲雀が最後まで言う前にさんは言葉を遮った
『都合良すぎるだろ?
恭弥は私の素性を知らねぇし、私だってそうだ
はい、お願いしますってすんなりいく話じゃねえだろうよ』
さんの言葉は最もで雲雀は舌打ちをする
「別に僕にはそんな事は関係ないんだけどね…
弱い草食動物なら確かに警戒するだろうけど、僕は盾突くなら咬み殺すだけだからね
大した問題じゃないんだけどな…」
雲雀も負けじとムッとした顔で言い返した