第2章 01
-さん視点-
とりあえず今はこのガキに殺意がねえのはわかった
私は、少年に背を向けるとクローゼットに足を運んだ
ガラッとクローゼットを開くと全身鏡が現れる
背後から襲われても、鏡で見えていれば安心だ
そう思って鏡を見た
『なっ…!!なんじゃこりゃぁぁあ!!!!!!』
出て行きかけた少年が、鏡越しに驚き振り返ったが、そんな事はどうでもいい
私もっと髪長かった気がすんだよ
それにおっかしいなぁ…
胸も縮んでいる様な
そういえば目線がいつもより低い気もするし
そして何より…
アハハ……
鏡に写る自分の顔が…
あら、かわいい…幼い頃のさんチャンじゃねえか……ハハッ
『しょ…少年?』
誰でも良い…
「どうしたんだい?」
むしろお前でいい…
『私は何歳くらいに見えるかしら?』
お願いだ…
お願いだから…
「何を言ってるんだい?
どう見ても中学生くらいでしょ?」
嘘だと言ってくだたい。
『ですよね~
私もそう思います…』
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