第2章 01
今無性に腹が立った
『茶番なら他所でやってくれ クレイジー野郎…それともおちょくってンのか?』
自分の夢の中で取り乱すようなアホらしいことはしないが、それでもこの得体の知れねえフザケタ物体に言い返したくて仕方がない
「イヤ、おちょくってはねぇ
マジマジの大マジ!!
俺、こんなに正直そうなジェントルマン」
白い人の形にしか認識出来ないソレは自信ありげに言うと腰に手を当てた
『え?すまん、、、到底生物には見えん』
正直な意見だった、だがソレは
一瞬黙ると私に近付いて目の前に立つ
そして私の両肩を掴んで
「現実見ろよぉぉおおお!!!!カモン刮目!!!受け入れる心をォ!!!!」
私の両肩を前後に揺さぶった
『落ち着けバカヤロウ…
夢の中で現実見ろって誰が………ン??』
腹を立てるのも面倒になり、真っ白いソレの頭部分を小突いてみる
すると、
白いだけだったソレは黒い髪がはえ服を着ている。(顔はわからないが)
『さっきより人に見えてきた!!だから揺らすな殺すぞ!!!』
驚きはしたが、これ以上揺さぶられるのは具合が悪い
離してくれたそいつに回し蹴りの一つでもくれてやりたかったがそこはもういい
ツッコむも反論もどうせ夢だ、
相手にするだけ無駄なのだ
「おふざけは終わりにして、、
お前の願いを叶えてぇ
だから俺をとりあえず信じてくれ」
急に声色を変えて真面目な雰囲気を醸し出したこの自称ジェントルマン
『あ?私の願い…?
意味が…「直に解るさ
詳しくはまた話すから
あーその…
とりあえず、今は…というか、人間最初が肝心だからな、、
あーーー、ガンバレ!!ファイッ!」
意味がわからないの一言に限る
言葉を遮り いそいそとそれだけ言うと
背を向けて消えてしまった
『ちょっ!!願いって何だよ?
しかもガンバレ?
待てよっ!!…ね……ぇ…』
身体の力が抜けて落ちる様な感覚
『アレ………ねむ、、あぁ、もういいや』
現実離れしてたくせに妙にリアルな感覚だったなぁ…
ま、どうせ夢だし………もういい
意識はソコで途絶えた
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