第2章 01
-さん視点-
夢の様な空間
でも夢じゃない感覚
真っ白な世界…
地面だと思われる場所に、足を着いてはいるが自分の影はない
変な夢だ…なんだ?
頭の中で思考を巡らせる
夢の中だというのに、驚くほど頭が正常に作動してやがる
『ガキか?私は…いや、いくらガキでもこんな夢見ねぇよ……寝よっ…』
夢の中だとわかってるけど、こんな白いだけのつまらない夢…見るだけ無駄だ
もう一度寝れば夢だって変わるだろう
私はそのまま横になり自分の腕を枕に、目を閉じた
「ぷッ!!夢の中で寝てやがる!バカかー?お前バカなのか!?」
不意に近くで声がした
と言うか…夢の中で寝てるバカって誰よ……
…………
…私か!
『…………
ははは…
だーれー?とりあえず死んでー』
夢で誰ともわからねえ奴にバカにされるなんざ、それこそバカげてる
こちとら、とびきり寝起きが悪いときた
私は体を起こして声の主を探す
目に飛び込んだのは少し離れた場所で膝を抱えてうなだれた人の影だった
『んだ?あれ…?視力落ちたのか?』
逆光でなのか、霞んでその人物がまったく見えない…
「死ねって言わ……グスン…」
『なっ!!……?お………はっ?…え?』
動揺するのも無理はない
眩しいわけではない
だがその人物が確認出来ない…
ただ真っ白いだけの人型のモヤのようなソレが喋ったのだ
「今はいじけてる場合じゃなかった 俺は…
……はい、聞いてないですよねーー」
異様なこの現状に、グルグルと頭をまわす
…が答えが見つからず目を白黒させた
『………いや…
やっぱこりゃ夢だナ』
夢の中なのだ
こんなにも異様なものと会話をしているのだ…
夢以外に考えられないし、考えても話をしても夢なのだから無意味
私はどんな神経をしてやがるんだ…
「真実は、、、いつも1つ!!!」