第2章 01
-雲雀視点-
世間一般は休日なのもあり、早朝は街がとても静かだ
僕は書類整理が残っているから、日曜日なんてモノは関係ないんだけどね
とは言え、平日より自宅でのんびり出来る時間がある
いつもよりも少し遅めに起きキッチンで一人分のコーヒーを煎れる
リビングで、欠伸をしながらコーヒーを飲むのも数少ない安らげる時間のひとつだ
一人暮らしなのだから当然邪魔する者はいない
僕だけの空間
それが当たり前
この先もこの日常に大きな変化などないと思っていた
---ゴトッ…
今日という日が来るまで…
普段から使ってない空き部屋で音がした
数あるマンションの中でも高層な建物の最上階だし、泥棒が入るハズはない
この家に無断で入るのはあの赤ん坊くらいだけど…
空き部屋に用事…
そんなハズないだろう
雲雀「僕の時間を邪魔するなんて…咬み殺す」
舌打ちをし、音のした部屋へと足を進めた
部屋の前まで行きドアを開く
「なっ…;;」
どう言う事だ?
この部屋には物を置いていなかった…
何故家具が?
使ってはいない部屋ではあるが、つい二日前に風紀委員の何名かに家中を掃除させたばかりだ
変化があれば当然僕に知らせるだろう
なのにその空き部屋が、寝室風の部屋になっている
いくら僕でも動揺を隠せない
部屋の窓際には、クイーンサイズの広めのベッドがある
そのベッドの中央がコンモリと盛り上がっているのが解り、僕は警戒しつつ近付いた
よく見ると布団にくるまり眠る少女の姿…
ハァ…;;
ため息をひとつ吐き、携帯を取り出すと副委員長に電話をした
ピッピッ…プルル…
「やぁ…草壁
…ちょっと急用が出来て、今家を空けれないんだ
応接室にある書類…10分以内に僕の家まで持って来てよ」
ピッ
何が起こっているのかはこの際後回しだ
だけどドコの誰とも解らない人間を家に置いて外出しては、気になって何も手につかない
とにかく、この娘を起こさなくてはね…
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