第8章 ミュシャ
「智…俺も会いたかった…」
もう今度から地方のロケ、ついていこうかなって思うくらい、和也は寂しそうな顔をした。
「ね…しよ?」
俺達は使わないからって仕舞ってた、畳の上に布団を引いた。
俺が家から持ってきた布団、入りきらなくて蔵にしまってたんだ。
臨時の褥を作ると、和也は服を脱ぎだした。
するりと見えた肩が、あんまり白くてめまいがした。
服を脱ぐ手を止めて、その肩に唇をつける。
「あ…智…」
和也の背中が少し反った。
そのまま止まらなくなって、唇を首筋に這わせた。
「ん…ん…」
甘い声を上げながら、和也が目を閉じる。
後ろからぎゅっと抱きしめると、止まらなくなりそうで怖くなった。
「今日…優しくできないかも…」
ポツリとつぶやくと、和也は俺の腕にそっと手を添えた。
「いいよ…乱暴にして?」
カッと身体の奥に火が着いた。
その火はあっという間に燃え上がり、俺の心臓は火事になった。
ドキドキと鼓動が煩い。
耳にドラが入ってるみたい。
「かず…なり…」
いきなり押し倒した。
生まれたままの姿になった和也が、俺の目に入ってきた。
止まれない…