第8章 ミュシャ
そのまま潤は、俺達の家に来た。
翔ちゃんは後で荷物を持ってこればいいからって。
潤は家に入るなり、感激して俺に飛びついてきた。
「ありがとう!リーダー!俺、すっごく羨ましかったんだ!」
もう、ホント…断れなくなった…
和也、怒るかな…
でも潤の嬉しそうな顔を見てたら、やっぱりダメなんて言えなくて…
「うん…まあ、引っ越しはゆっくりとしたら…?」
「うんっ…でも早く住みたいから、なるべく早く来るね!」
「ほら、潤。酸素吸入、ちゃんと持って?」
翔ちゃんが後ろから酸素吸入の小さな機械を潤に渡す。
「あ、これ…持ち運ぶの大変だな…」
潤が少しシュンとして言う。
「ばーか…頭、痛くなってもそれあればなんとかなるんだから…ちゃんと持ってろよ?」
俺が言うと、潤は俺に満面の笑みを見せた。
「うんっ!ちゃんと気をつけるからっ!」
翔ちゃんが家の案内を始めたから、俺はリビングでぐったりとした。
ソファに沈み込みながら、なんでこんなことになったかとぐるぐる考えた。
どう考えても、翔ちゃんに嵌められた…
和也にどう言ったらいいのか…
お前が帰ってきたら、嵐全員揃うんだよって…
絶対怒る…