• テキストサイズ

天は藍よりも青く【気象系BL小説】

第8章 ミュシャ


しばらく、そんな生活が続いた。


俺と和也が二人っきりになれるのはアトリエだけだった。


電熱器がジィジィ音を立てているのを、ソファに座りながら二人で聞いている時間が幸せだった。


だって…付き合ったばっかりだし…


その…ね。


ヤリたいことだって、あるし…


すっかり、アトリエは俺達のリビングみたいになって。


5月に入る頃、和也が泊まりの仕事で地方に行ったから、久しぶりにリビングで過ごしてた。


世間はゴールデンウィークってやつで、外に出る気にもならなくて。


和也が傍に居ないから、なんとなく手持ち無沙汰で。


リビングで和也の用意した、大画面のテレビをボケーっと見てた。


相葉ちゃんはロケで、翔ちゃんは珍しく仕事が休みで家に居た。


「ねえ、智くん」


「んー?」


すっかり翔ちゃんはこの家に溶け込んだ。


翔ちゃんが家にいても、びびらなくなった。


「今日、潤が退院なんだけど…」


「えっ!?なにそれ。聞いてない」


「昨日、急に決まったんだ」


「そっか…」


「俺、迎えに行くんだけど、一緒にいく?」


「え?なんで?ご両親じゃないの?」


「うん。潤がね、家に帰るだけだからって断ったんだって。でも、一人じゃ不安だからって、ご両親にお願いされたんだ」

/ 779ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp