第29章 特別編 天は大野のケツよりも青く
「みんなの気持ちも…受け取ったから」
「うん…良かった…」
みんな…翔ちゃんのこと、いっぱいいっぱい…
考えてたんだよ。
それが伝わって、本当に良かった。
「翔ちゃんなら…できるよ」
「……うん……」
しばらくそのままの姿勢でいたら、翔ちゃんのスマホが鳴り出した。
「やべ…もう迎えきた」
「んふふ…いってらっしゃい。翔ちゃん」
「ありがと。いってくるね!智くん!」
元気よく、翔ちゃんは台所を飛び出していった。
「さあて…」
今日は俺だけオフだし…何しようかな。
せっかくの誕生日だし、外に出かけるかな。
月曜日だと、知ってるショップは休み多いんだけど…
出かける準備をしてたら、庭に人が入ってくるのが見えた。
「あ。植源さん」
11月に入ったらツアーだから、定期的に庭の手入れに来てくれてるんだよね。
裏庭に入る車庫側のゲートの鍵を渡してあるから、勝手に入ってきて作業してくれるんだ。
早速台所から外に出た。
「植源さん!」
「お、坊っちゃん」
今日は息子さんも一緒だった。
「大野さん、いつもお世話になっています」
「いえいえ。こちらこそ」
ぺこりと頭を下げると、作業に入った。