第7章 柔らかな刺
鉢植えの葉っぱを一個ちぎって口に入れた。
爽やかなツンとした香りがした。
青臭いや…
相葉ちゃんがにこにこして俺をみてた。
「それね、お茶にするといいと思って。リーダーの鼻にさ」
「ありがと…」
あんなことがあっても、相葉ちゃんは俺をまっすぐにみて笑う。
俺は…どうしたらいいのかな。
ぎこちなく笑ってみた。
相葉ちゃんの目が、一層緩んだ気がした。
少し暑くなったから、温室を出た。
池を巡ってぐるっと庭を回った。
それから玄関に戻って家に入った。
二階へ行こうと思ったら、ちょうど和也が降りてきたところだった。
「あ、和也」
「ん?」
「植源さんと話終わったら、アトリエきて?」
「わかった」
手をブラブラと振って、台所に消えた。
俺は部屋に戻って着替えてから、アトリエに向かった。
今日…
今日しかない。
アトリエに隠しておいたものを取り出した。
明日になったら、翔ちゃんがくる。
和也がいいと言ったんだから、もう止められない。
だから、その前に…
和也を抱く。