• テキストサイズ

天は藍よりも青く【気象系BL小説】

第7章 柔らかな刺


和也が照れながらドアの内側に入るのを見届けて、また庭に出た。


植源さんと相葉ちゃんは温室に入っていくところだった。


追いかけて行って温室に入る。


やっぱり温かいな…温室。


「あれ?ニノ帰ってきたんじゃないの?」


「うん。帰ってきた。あ、親父さん、二宮がくるから待っててやって」


「へい」


相葉ちゃんが手に持ってる植物…


なんか見たことある。


「ね、それなに?」


「ん?ローズマリーだよ」


「あ、なんか聞いたことある」


「ハーブだよ。いい香りするんだよ。これね、挿し木して増やすんだ」


「ええ!?そんなことできるの?相葉ちゃん」


「やるの!これから!」


また拗ねた。


「これから花が咲くんだって。でも香りがいいのは葉っぱで、今が一番いい香りなんだってよ」


そう言って鉢を差し出してきたので、匂いをかいでみた。


「…よくわかんねぇ…」


「鼻炎持ちに言った俺がバカだったよ…」


そう言ってシュンとしてしまった。


「くっくっく…坊っちゃん、相葉さんを悲しませねえでやってくださいよ」


親父さんが何気なく言った一言にどきっとした。
/ 779ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp