第29章 特別編 天は大野のケツよりも青く
明日も明後日も幕張の予定だったから、今日と明日は千葉にホテルを取ってもらってる。
相葉ちゃんは今日だけ実家に泊まる予定になってたんだけど、和也と同室でいいからって、急遽ホテルに泊まってもらうことにした。
初日ということもあって、なかなか作業が終わらなかったけど、深夜2時を過ぎたところで強引に潤が切り上げてくれた。
ホテルにつく頃には深夜の3時になっていたけど、速やかに全員が翔ちゃんの部屋に集合した。
ソファに腰掛けると、みんなぐったりしてる。
「で?」
潤が、会場にいるときのままの雰囲気で切り出してきたから、ぎゅっと鼻をつまんでおいた。
「いてぇなっ!」
「もう、演出さん終わり!」
「んあ?」
「顔、怖いよ?潤」
「嘘…」
両手で潤がほっぺたをもみもみしてる間に、居心地悪そうな翔ちゃんの代わりに、俺がさっき聞いたことをみんなに話した。
「…で、さっきはここまでしか話せなかったから。翔ちゃん、もうちょっと話しよう?」
そう言うと、諦めたように頷いた。
「ごめん…」
ちらっと和也を見ると、やれやれと頷いて翔ちゃんの隣に腰掛けた。
「じゃあ、一緒に考えてみよっか…翔ちゃん」
ニッコリ笑うと、翔ちゃんの手を握りしめた。