第29章 特別編 天は大野のケツよりも青く
もう初日だからバタバタで。
機材の不具合とか建込みが不十分なとこがあったりして、結構ぽつんと待たされたりとかしてさ。
まあ…芸能人は待つのも仕事だからね…
でもやっぱ、待ちも疲れるんだよね。
だからやっと潤が来て、飯になって。
食べ終わったら眠くて眠くてたまらなくなった。
「ちょっと…智…寝ちゃうの…?」
和也の声が聞こえても、目がもう勝手に閉じていく。
「ああ…ちょっと、ブランケットかなんか持ってきて」
相葉ちゃんの声もなんだか遠くに聞こえる。
「俺、会場戻ってる」
潤が立ち上がる気配がして、そこでぶつりと意識は途切れた。
目が覚めたら、楽屋にひとりだった。
「あれ…?」
もう、みんな会場に行ったらしい。
マネージャーすら居なかった。
なんで起こしてくれないんだと思いながら、ノロノロと身体を起こすと靴を履いた。
その時、控室のドアが開いて翔ちゃんが戻ってきた。
「あ、起きた?」
「…ごめん…今行く…」
「ああ、いいんだって。だからまだ寝てなよ」
そう言いながら、翔ちゃんはソファに座ってペットボトルを開けた。
「え?いいの?」
「うん。今、ニノと雅紀のとこやってるから」