第29章 特別編 天は大野のケツよりも青く
俺も相葉ちゃんと一緒にマッスル部して(37ちゃいだからね)、それからソファでちょっと休んでたら、呼び出しがかかった。
セットが組み立ててある会場に入ると、早速作業が開始された。
場当たり(立ち位置を決めたり、照明の当たる場所を粗方決める作業)からなにから、目まぐるしく過ぎていく。
『そこのバミリ(立ち位置に印をつける作業)終わったら、一旦休憩入ります』
潤のマイク越しの声が会場に響いた。
時計をみたら18時になってた。
昼からぶっ通しでやってたけど、集中してたみたいで気づかなかった。
控室に戻って、夕飯どうするか聞かれて。
潤が来るのを待ってる間、また翔ちゃんは資料に目を通してる。
覗き込んでみたら、なんかびっちりと書いてあって。
ベスアと紅白に出場するアーティストさんの資料だった。
「うわあ…どんだけあるのそれ…」
「え?ああ…まあ、すごい数だよね…」
翔ちゃんは苦笑いしながら、資料を眺めてる。
「まあ、今まで読み込んできた方ばかりだから…初出場とか新しい人のだけね、集中して読んでる」
「翔ちゃん、偉いね」
「え?」
びっくりして翔ちゃんは俺の顔を見た。
「俺ぁ…絶対無理だ。頑張って」
「智くんもいつかやらなきゃいけないんだからね?」
「断る」