第29章 特別編 天は大野のケツよりも青く
「毎度のことだけど…翔ちゃんだけ年末のスケジュール異次元だよね…」
「ワーカホリックだからねえ…」
「何がそんなに不安なんだろね」
「え?」
「仕事してないと不安なんじゃないの?」
「そう、なのかなあ…」
まあ、俺も仕事ないと何していいかわかんないとこがあるけど…
「知らないうちに、スケジュールぎっちりにしてきて、タブレット見ながらニヤニヤしてんじゃん…あれ不安とかじゃなくって、ただのマゾじゃないの?」
「ぶっ…」
翔ちゃんはタブレットでスケジュール管理してるけど、たまにそれを見ながらリビングで酒を飲んでることがある。
何が楽しいのか、俺にはさっぱりわからないけど、楽しいみたい。
「あ…」
そっか…
「ん?どうしたの?」
「いや…」
今までそういう翔ちゃんの姿を見てるから、「楽しいみたい」ってわかるのか。
…そうだよね。知らない人が見たら、ただの変な人だもん…
それが潤の言ってた、「今までの積み重ね」でわかるってやつだ。
「そっか…そういうことか…」
「どうかしたの?」
「ううん…なんか、なんとかなるかな…」
「ん?」
「おーちゃん、翔ちゃんのこと?」
相葉ちゃんがにこにこしながら立ち上がった。