第29章 特別編 天は大野のケツよりも青く
「へえ…潤がそんなこと言ったの」
「うん…」
その夜、帰ってきた相葉ちゃんと一緒に風呂に入った。
最近ちょっと冷えるようになってきたから、温まりなさいってうるさくてさ。
ちょっと古傷の左膝が痛むもんだから…
でも風呂に一緒に入ると盛られるから、最大限お断りしているんだが、今日は無理だった。
「かーっ…難しいこと言うねえ…」
「だろぉ…?もお、俺ますますわかんねえ…」
ざばっとお湯から手を出して、汗まみれの顔をゴシゴシ擦った。
「いやでもさあ、潤の言うことも一理あるでしょ」
「ええ…直接聞けって?」
「だっていくら考えてもわからないじゃん?」
「まあそうだけどさ…」
「もー、そういうときはあたって砕けろー!って感じ?」
にしにしと笑いながら、今度はタオルで顔を拭いた。
汗が目に入るんだろう。
「でもさーそういう勢いで行ったらいけないことだったらどうする?」
「んー…そんときゃそんとき?」
「でた…行き当たりばったり…」
「んー…基本さ、翔ちゃんって強いじゃん?」
「うん…」
「だから、大丈夫だよ」
あっさりと相葉ちゃんは言ってのけると、俺を抱き寄せた。
浴槽の中で、後ろから抱きしめられる。
「相葉ちゃんも…翔ちゃんのこと信用してるってこと?」