第29章 特別編 天は大野のケツよりも青く
みんなリビングに集まって、3時のおやつが始まった。
「いただきまーす!」
翔ちゃんの出してくれたいただきものは、羽二重餅で。
白い粉を口の周りにつけながら、美味しいコーヒーで流し込んだ。
「これ、お餅?なんなの?」
「餅粉って箱に書いてあるから、お餅なんじゃない?」
「ほええ…柔らかくて甘いねえ」
「ぎゅうひってやつとは違うの?」
「わかんね…一緒じゃねえの?」
もちもちやわらかい羽二重餅を食べて、ぽやんとみんなで幸せ。
「おお~脳に糖分が行き渡ったぜ…」
翔ちゃんはこれからひと仕事するとかで、部屋に戻っていった。
「いってらっしゃ~い……」
「おつかれ~……」
「……」
「……」
残された4人で目を合わせた。
「最近、暴君過ぎない…?」
和也が俺のこと肘で突きながら言ってきた。
「あ?」
「もお…ほんとさあ…なんかいう事聞かないと、すぐおしおきだぞってさあ…」
相葉ちゃんまでグチグチ言い出した。
「大体なんだよな…アレ…」
潤が口の端についたお粉をティッシュで拭きながら身を乗り出した。
「あれって?」
「寸止め」
短く言うと、チッと舌打ちした。
…そうだよな…潤が一番の被害者だよね…