第28章 特別短編 ぼくたちスイーツ部
「もお!せっかく美味しいの食べてるのに…」
「俺も、美味しいもの食べたい」
ちゅっといきなり首筋にキスされて。
それから、じっと至近距離で俺のこと見つめてきた。
ぞわっとした。
ただ、黙って見つめられてるだけなのに…
「……」
「あ、今感じたでしょ?」
「ち、違うわ!」
「鳥肌…」
つつっとTシャツの腕を人差し指で辿られて、ぞわぞわした。
「は、早く食べようよ…」
相葉ちゃんのタルトをフォークで切って、お口に持っていくとあーんと食べてくれた。
そしたら、今度は相葉ちゃんが俺のを切って、口に入れてくれた。
「んふ~…」
アーモンドクリームがお口の中でとろけて…
ラ・フランスの果肉から出る爽やかな果汁と合わさって、んまいのよ…
最後の一切れをお互いに食べさすと、相葉ちゃんの唇が近づいてきた。
…これは絶対やめてもらえないパターンだ…
甘い唇が重なると、すぐに相葉ちゃんの胸に抱きしめられた。
「…智…」
もお…弱いんだよな…
相葉ちゃんのこの声…
「雅紀…」
広い背中に腕を回すと、俺もきゅっと相葉ちゃんを抱きしめた。
「ふふ…今だけ、ね?」
「終わったら、仕事手伝ってよ?」
「うん…」
そっと相葉ちゃんの唇が首筋に落ちてきた。
ぶるっと震えると、嬉しそうに唇が俺の皮膚を吸い上げた。