第28章 特別短編 ぼくたちスイーツ部
「あんまい!甘い!んふんふ…」
「おーちゃん…」
「ん?」
「お口の周り…」
「んあ?」
夢中でかぶりついてたから、口の周りに粉砂糖がふんだんについていた。
「ん~…取って?」
「ふふ…」
相葉ちゃんのほうに顔を差し出したら、指でそっと口の周りを拭ってくれた。
なんだか…
俺を見る目が、いつもと違う。
穏やかで…余裕のある大人の男って感じ…
「ん…」
その指が、口の中に入ってきた。
「ねえ…おーちゃん…」
「ん…?」
「俺、ムラムラしてきちゃった…」
「ああん?」
前言撤回!
いつもと同じじゃん!もおっ!
指で俺の舌を弄びながら、相葉ちゃんは恍惚とした顔をしてる。
俺の口から指を出すと、べろりと指を舐めた。
「…仕事…」
「ふうん…さっき寝てたのに…?」
「ぐ…」
「潤にいいつけちゃおっかな~…」
「やめてよお…」
相葉ちゃんの残ってるタルトを指すと、ごまかそうと必死になった。
「こ、これちゃんと食べてからね?」
「食べたらシてくれんの?」
「まだ明るいもん」
そう…真っ昼間なんだよ?
何盛ってんだよ…この男は…
「だって…ふたりっきり、久しぶりだよ…?」
「ん…」
かずのドラマが終わってから、映画のキャンペーンとかあって…結構かずは家に居ないことが多かった。
だからみんな気を使ってくれて、かずが居るときはずっとふたりだったんだよね。