第28章 特別短編 ぼくたちスイーツ部
その白い箱には、キラキラきれいなタルトが入ってた。
「わぁぁ…」
「きれいでしょ?」
粉砂糖でコーティングしてある、ラ・フランスの焼きタルト。
「みんなで食べようと思って、ホールで買ってきちゃった」
「美味しそう!ありがとう、相葉ちゃん!」
そう。
俺たちは、コンサート期間以外でも、スイーツ部の活動をしているのだ。
おかげでちょっとデブの星が…
「どする?俺たちだけでも食べちゃう?」
「そだね。みんな、帰ってくる時間バラバラだから…」
俺は遅めの朝食だったから、昼飯もいらないし…
そのかわりにケーキ食っちゃお!
台所に二人で行って、俺はタルトを切って。
相葉ちゃんは紅茶を淹れてくれた。
「わー…美味しそう…」
ダイニングに一切れずつ乗せたお皿と紅茶を運んだら、二人だけのティータイムが始まった。
「いただきまーす!」
「いただきま~す!」
粉砂糖にコーティングされた薄切りのラ・フランスの果肉の下には、たっぷりバニラビーンズが入ったアーモンドクリームが敷き詰めてある。
「ヤバ!うまっ!」
「くうう~美味しいねっ!」
噛み締めたラ・フランスの果肉からじゅわっと果汁を感じる。
タルト生地もサクサクで、美味しい!