第28章 特別短編 ぼくたちスイーツ部
「どしたの…早くね?」
時計を見てみたら、お昼過ぎてた。
「大雨で中止。今日、オールロケだったから…」
「ああ…この雨じゃね…」
他のみんなは、屋内の仕事だから支障はない。
ロケだときっついよな。この雨。
窓の外をちらりとみたら、まだ勢いよく雨は降ってた。
「でも今日は明け方からだったから結構進んだし、撤収になったよ」
「そっか…お疲れ」
しかし、顔が近い。
「お昼食った?」
「うん。弁当食った」
「そっか…」
やっぱり、近いんだよ。
「ちょっと…どいて?」
「なんで?」
「なんでって…起きられない…」
「ふうん?」
ふうんじゃねえよ。近いって。
逆さまの相葉ちゃんの顔が、めっちゃ近いとこにある。
「おーちゃんは?」
「ん?」
「今日の仕事は、寝ること?」
「いや、違いますが…」
「じゃなにしてんの」
「えっと、瞑想?」
言い訳にしてもひどすぎる。
絶対、間抜けな居眠り顔を見られてるはずなのに。
なぜこんな言い訳したんだ。
「…潤に言いつけるぞ?」
「やめてください。お願いします」
「むふ」
相葉ちゃんは起き上がると、俺の上に白い箱を差し出してきた。
「おみや!一緒に食べよ?」