第27章 特別短編 王様だーれだ?
「なで肩だから…」
「家でしてるじゃん、ん!」
そう言って更に俺にエプロンを押し付けてくる。
「やっ…やだよっ!智くんがやれよっ!」
「俺、色が黒いから似合わないもん。絶対翔ちゃんのほうが似合う!」
「似合う似合わないでいったら、男なんだから似合わないだろ!」
いきなりすくっと立ち上がって、智くんは俺の前に仁王立ちした。
「王様の命令だからなっ」
「やだってば!なんで雅紀の手先みたいになってんだよ!」
エプロンつけるだけならまだしも、裸になれって命令だから質が悪い。
「みたいなー…」
「え?」
智くんは、急に表情を消した。
「俺、みたいなー…翔ちゃんの裸エプロン…」
「や…だから…」
「みたいなー…本気で見たいなー…」
「さ、智くん…」
無表情のままポツポツと言う。
「見せてくれたら、なんでもしてあげちゃうのになー」
ぶらんとエプロンを持った手を振った。
「残念だったなー」
「…ほんとに?」
なんでもしてくれるって…
ということは…最近、雅紀にばっかり開発させてるケツを…
俺にも開発させてくれるってワケ?
智くんは相変わらず無表情で俺の顔を見た。
「なんでも…してあげるのに…」