第27章 特別短編 王様だーれだ?
木の棒に嵐の王様印が書いてある。
智くんが書いたんだなこれ…ノリノリじゃねえか。
あとの棒には、1~4までの数字。
この番号を使って、王様が命令するのだ。
まじまじと見ていると、部屋の呼び鈴が鳴った。
雅紀と潤が帰ってきたんだ。
智くんがいそいそと二人を中に入れて、ドアを閉めた。
「さあ、飲み直そうかあ!」
ニノがにんまりするのを俺は見逃さなかったぜ?
まあ、雅紀はほろ酔いになってたほうが、超絶かわいいからな…
なんたって開発したのは、俺。
「なに?翔ちゃんニヤニヤしちゃって…」
雅紀が怪訝そうな顔をするから、戻すのに必死だったのは秘密だ。
暫くくだらない話をしながら飲んだ。
時間は深夜になろうとしている。
「ねえ、飽きちゃったからゲームしよっか」
ニノが言い出した。
お、やるのね。
そう思ってゲームに同意した。
でも待てよ。
どうやって雅紀をハメるんだ?
王様ゲームに使う棒にはなんら細工をした様子はない。
ニノになんか考えがあるんだろうか。
「うっひゃ。王様ゲーム?久しぶりじゃね?」
「そーだね。つか、雅紀こんなのしたことあんの?」
「えー?潤はやらなかったの?」