第27章 特別短編 王様だーれだ?
ソファの一人席に座る潤は真っ赤になってるし、向かいのソファに座るニノと智くんはニタニタしてる。
「おっ…おまえらも思い出してんじゃねえよ!」
「まーまー…翔ちゃん、飲みが足りないよお?」
雅紀が俺の肩を抱き寄せて、酒を注いできた。
「まだ乾杯したばっかで酔えるかボケ」
「あら、ひどい」
大げさに傷ついた顔をすると、一人席に座ってる潤に勢いよく抱きついた。
なんか、ゴスって音が聞こえた気がした。
「!?」
「もおっ潤、翔ちゃんがひどいの!慰めて!」
「ごふっ…ごふっ…」
案の定、酒を飲みかけていた潤は咽てる。
そして、酒をソファと自分のズボンに零した。
床まで零してるぞ…じゅうたんなのに…
「ああ…もう…」
智くんとニノが台ふきんを持って、急いで立ち上がった。
ケータリング担当のスタッフさんは手回しがよくて、こんなものまで用意してくれてた。
俺も雅紀を引き剥がしてから、ティッシュで床を拭いた。
「あ、あれ?大惨事?」
「そー。大惨事」
よく見たら、雅紀もズボンがびちゃびちゃ。
「おまえら着替えてこいよ」
「ああ…うん。飲み始めたばっかだしね。着替えてくる…」
やっと咽るのが収まって、潤と雅紀は部屋を出ていった。