第26章 特別短編 かしましボーイズ
「しかもなんだ!この、抱かれる前の和也!こんなっ…こんなっ…」
またコマ送りで、ハグする直前まで戻した。
そこには、斎藤くんに向かってシナを作って腕を差し出す和也…
スタジオじゃ、俺の居るところからだと、こんな風に見えなかったんだ!
「この、抱かれるの待ってます感…おまえぇぇ…」
「なによう!あんただって、手押し相撲のとき、もうちょっと踏ん張れたでしょ!?」
「はぁぁ!?おまえまさか、あん時のこと根に持ってこんなことしたのかよ!?」
「なによ!なによ!あんな顔して抱かれちゃってさ!」
潤が俺の手から黙ってリモコンを取り上げた。
何をするのかと思ってたら、コマ送りでちょっと送ってまた画面を止めた。
「これ、見てみ?リーダー」
「あ?」
画面には、斎藤くんの腕に抱かれながら、めっちゃ悪い顔をして笑ってカメラを見てる和也。
「おーまーえー…」
わざとか。わざとなんだな!?
「なーによー?」
和也も負けじと俺を睨みつける。
「あー…でも、この顔はないよなあ…ニノちゃんよ」
「えっ…」
「この場でヤキモチ妬かせる作戦だったんだろうけど…ちょっとやりすぎだよなあ?ニノ」