第6章 蝶
アトリエの扉を開けたら、相葉ちゃんが立ってた。
「なんだよ…」
「で?結ばれたわけ?」
「なっ…どっちだっていいだろ!?」
「…できなかったんだ…」
「なっ…なんだっていいだろ!?」
「はぁ…おもしれぇな…リーダー達…」
「面白がるなよっ…もうっ…」
「男同士ってさ、いろいろしないとできないんだよ…?」
そんなこと、さっきわかった。
和也が痛がって、できなかった。
俺も痛かったし…
ヒリヒリしてる…
「ちゃんと和也と、ふたりでどうにかするから」
”ふたりで”を強調して言ってやった。
相葉ちゃんはふふっと笑うと、俺に向かって歩いてきた。
ぎゅうっと抱きしめられた。
「にゃ…にゃめろっ…」
「なんで噛むんだよ…そこで…かわいい…」
「し、しらねーしっ!」
もがいても無駄だから、もがかなかった。
「ホラ…そんなふうだから…ダメなんだよ…あんた…」
「え…?」
「なんで、俺のこと、まだ受け入れてくれんの…?」
そう言ったら、相葉ちゃんは離れていった。
泣いてた…?