第26章 特別短編 かしましボーイズ
「ちょっと、そんな格好で…」
勝手口から声が聞こえて振り返ったら、翔ちゃんと潤が顔だけ出してこっちを見てた。
「智くんっニノっ…風邪引くから、お家入んなさい!」
「はあい…おかーさん」
「誰がおかあさんだ!」
「翔ちゃん」
「う…」
まだ雪だるまを増殖させている相葉ちゃんを残して、俺たちは家に向かって歩き出した。
「うわあ…足先がちめたい…」
「もう…靴下も履いてないじゃん。冷たいに決まってるよ」
今度は潤おかあさんに怒られながら、俺たちは台所に入った。
「ふあー…寒い寒い…」
こんなに冷え込むのは久しぶりで。
多分池とか凍ってそうだな…
あとで見に行こ。
台所の小上がりに腰掛けながら電熱器で手と足を温めた。
「あ、今日仕事中止だって」
「え?」
「ロケ先も大雪でどうにもならないらしいよ?延期だっていうから、来週くらいにでも行くんじゃない?」
「ふえー…そんな降ったの?」
「そうでしょ。ここでこんなに降ってるんだから、西の方なんかもっと降ってるでしょ」
翔ちゃんが言うと、潤がリモコンを手に持った。
最近導入した台所用の小さなモニターみたいなテレビをつけた。
「うわあ…八王子凄いことになってる」