第26章 特別短編 かしましボーイズ
「雪だ!」
「雪だ!」
朝起きて、すんごい寒いと思っていたら雪が降ってた。
「わあぁ…これはすごいぞ」
「ちょっと…今日仕事大丈夫なのかな…」
「庭!庭いこう!」
綿入れと上着を掴むと、心配してスマホを見ようとしていた和也の腕を引いて台所に駆け下りた。
一番乗りかと思ってたら、もう既に庭には先客が居た。
「相葉ちゃん…」
「うわ…雪まみれ…」
「あ!おっはよ~!雪だるま作ったよ!」
もこもこに着込んで、ニット帽をかぶった相葉ちゃんが、ごつい手袋をしながら庭で雪だるまを作っていた。
「ちょっと…何個作ってるのよ…」
大きいのや小さいの、たくさん雪だるまが通路に沿って並べられていた。
和也が呆れながら雪だるまの数を数えた。
「げ…10個もある…」
「相葉ちゃん、しもやけになっちゃうよ?」
「大丈夫!これ、スキー用の手袋だから!」
「あ、そ…」
上着を和也に着せかけて、俺も自分の綿入れを着込んだ。
「うう~さむっ…」
「凄いなあ。相葉ちゃんって犬並に寒さに強いんだな…」
ばあちゃんの庭は、一面の銀世界で。
庭木や地面には雪が積もって、いつもの庭とは違って見えた。