第24章 特別短編 俺たちのしあわせ
「演技しようとしてたわけ?」
「ち…がうけど…だって最近、なんかマンネリ化してるのかなって思って…」
「なんでそんなこと思うんだよ?」
「だ、だってさ…翔くんだって、なんか俺とえっちしてるとき、無言じゃね?」
「え?」
「だから…飽きたのかなって…おも…って…」
段々泣きそうになってくるのをじっと見てたら、ぽろっと涙が零れ落ちた。
「…ばかだなぁ…」
潤の目の端にたまった涙を唇で吸い取った。
ちょっとしょっぱい。
「余裕がねえんだよ…」
「え?」
「最近、おまえ凄いから…セックスしてっと余裕なくて、喋れなくなんだよ」
「え…凄い…?」
「そう…おまえの身体、段々俺に馴染んできてる…」
「翔くん…」
しかも、こんな健気で可愛いことされたらさ…
愛おしいじゃねえかよ…
ゆっくりと顔を近づけると、潤の唇に触れた。
唇を重ねると、ぷっくりとした唇が俺の唇を食んだ。
「ごめんな。もっと余裕あるセックスするわ」
「うっ…ううんっ…いい!」
「え?」
「それならそれで、嬉しいから…気持ちよすぎてしゃべれないってことだよね?」
「うん…そうだよ?」
「…嬉しい…」
はにかんで笑うと、ちゅっと一つ啄むようなキスをした。