第23章 特別短編 お菓子くれなきゃいたずらするぞっ!
わーわー皆で囃し立てるから、もう俺、どうしていいかわからなくて…
「く、熊田の息子が居ないもんっ…」
するとアリスが立ちあがって俺の胸ぐらを掴んだ。
『ふざけんなっ…』
えらいどすの利いたアリスさんに壁際に追い詰められる。
『見ていてください…真実は一つしかないのですから…』
おお~と3人が手を叩いてくれる。
「斗真がいたら、もっとなんかできるか?」
ドラキュラさんがスマホを取り出した。
「ちょっ…やめろ!巻き込むな!」
「あ、じゃあさ、じゃあさ、最後の17分間のセリフでさ…」
なんだか皆おおはしゃぎで、のさまじょおばさんの思う壺だった。
散々成瀬のセリフを言わされて、俺はくたくたになった。
「ちょ…タンマ…休憩しよ?」
「うん…俺も重いこれ…」
「俺も牙がそろそろ邪魔…」
「俺も頭が蒸れてきた…」
「髪の毛が口に入る~…」
皆それぞれ床やソファに座り込んで、一旦仮装を解いてる。
俺は…スーツだし…
革手袋くらいとっておくか…
「ねえ、お料理の準備そろそろしないと…」
「あ、そうだね…って相葉さんは無理だよね」
「脱げば大丈夫だよお…」
「俺もマント取っちゃお…」
皆それぞれ抜け殻を置いたまま台所へ行ってしまった。