第6章 蝶
頭の後ろを押さえてる。
「アンタがいけないんでしょうがっ!」
「オイ…ニノよ…」
「なんだよっ…!」
「ちゃんとリーダー捕まえてんのかよ?」
「は?何言ってんだよ…」
「リーダー、お前のこと好きなの?」
「な、何言ってんだよっ…だいたい。俺のものになるって、この人から言ってくれたんだよ?」
「へぇ…リーダー、ニノのこと好きなの?」
翔ちゃんまで割り込んでくる。
「す…すき…」
なんだ…これ…
本当は二人だけの甘い空気の中で言いたかったのに…
こんな公開処刑みたいな形で言いたくなかった…
「ほっ…ほんと?」
和也が俺の顔をじっとみる。
その瞳に吸い込まれそうになる。
「うん…好きだよ…」
「じゃあ、リーダー俺は?」
「え?好きだよ?」
「智くん、俺は?」
「うん。好きだよ?」
ニノが倒れそうになった。
「ちょっと…智ぃっ…」
「え?あれ?俺、なんかおかしいこと言った?」
「おかしくないよ…」
翔ちゃんが笑いながら言った。
「そこに恋愛感情はあるの?」
恋愛感情?
「かずにだけある」