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天は藍よりも青く【気象系BL小説】

第22章 特別短編 こんな、一日。


かずが出て行って暫くすると、階段を登ってくる音が聞こえた。
トントンと部屋をノックする音。

「はーい」
「智くん?入るよ」

翔ちゃんが部屋に入ってきた。

「あ、台本やってんだ」
「うん。どうしたの?」
「いや…ほら、これ…」

翔ちゃんが差し出したのは、人形焼だった。

「えっどうしたのこれ?」
「今日ね、植源さんとこ遊びに行ってきたの。そしたらおみやげで持たせてくれて…」
「へえ…よかったねえ」
「後で食べようよ。お三時に出すから」
「うん。ありがとうね」
「邪魔してごめんね」
「邪魔じゃないよ…」

翔ちゃんはじっと俺のこと見つめた。

「どうしたの…?」
「ん…?なんでもない」

なんでもないって言ったのに、翔ちゃんは動かない。

「…おいで?」

そう言って腕を広げたら、翔ちゃんはぼすんと俺の胸に飛び込んできた。

「どうしたの…?甘えたいの?」
「うん…暫くこのままでいて…?」
「いいよ…」

翔ちゃんの背中の手を安心するように緩く動かした。
暫くすると翔ちゃんは顔を上げて、ちゅっと俺にキスしてきた。

「ありがとう。智くんを充電できた」
「俺は電池か…」

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