第22章 特別短編 こんな、一日。
「智ー?」
「んー?」
「お洗濯物出して?」
「ああ、してくれんの?」
「うん、今日はお天気いいから」
和也が自分の洗濯カゴを差し出してくれて、俺はそこに自分の洗濯物を放り込んだ。
「乾いたら持ってくるね」
「ありがとう」
部屋の出口で和也がぴたっと止まった。
「ん?どうした?」
振り返ると、洗濯カゴを置いてとてとてっと俺のほうに走ってきた。
「かず?」
ベッドに座ってる俺に、どーんと和也は抱きついてきた。
勢いで後ろに転がった。
そのままかずは俺の胸に顔を埋めている。
「…どうした…甘えたいの…?」
「ん…暫くこうしてて…?」
「いいよ…」
和也の背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめた。
「智…離さないでね…」
「離すわけないだろ…」
心臓の鼓動まで聞こえてくる。
和也の髪の毛がふわふわと顎をくすぐっていく。
「好きだよ…和也…」
「うん…俺も、好き」
ふふっと二人で笑って、和也が起き上がるとちゅっと俺にキスしていった。
「じゃあ、お洗濯してくるね」
「悪いね…頼むよ」
俺は特別ドラマの台本をやってるから、気を使ってくれてるのだ。
「いいって。俺、智の奥さんだから」
「ぶふぉっ…」