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天は藍よりも青く【気象系BL小説】

第21章 特別編 にじいろゆめいろ


真っ赤な顔をまたそっぽを向いて隠してしまった。

「あの時は…どうしていいかわからなくて…」
「…やり捨てされた気分だった…」
「えっ…」
「だって正気に戻ったら和也居ないんだもん…」
「そ、それはあんたが何も言わないからっ…」
「ばか…びっくりさせろよ…」
「う…」
「ノーマルだと思ってたお前からちゅーされたんだぞ…びっくりもするわ…」
「ごめん…」
「謝るこたないけどさ…幻かと思ったんだぞ…?」
「え?なんで?」
「だって、その後なんにもなかった顔してるから…」
「恥ずかしくて顔見れなかっただけでしょ!相葉さんも居たし」

そうだ。あの頃だ…相葉ちゃんがうちに来たの。

「だから…楠木のとこでちゅーしてくれたのが…嬉しかった」

じっと顔をみて言ったら、また真っ赤になった。

「そ、そう」

指の絡まった手を見て、なんて俺たちは変わったんだろうと思った。
人間が変わったんじゃない。
俺達の形が変わった。

俺は皆の俺で。
和也も皆の和也で。

翔ちゃんも相葉ちゃんも潤も、皆のもので…
俺たちは、俺たちのものに変わったんだ。

ぱらぱらと雨の音が聴こえた。

「あ…降ってきたね…」
「皆、窓閉めてくれるかな…」
「見てくる?」
「うん」

手を繋いだまま、アトリエを出た。

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