第21章 特別編 にじいろゆめいろ
俺は前に見た夢を和也に話した。
でも夢んなかのことだから、上手く伝わったか…
「へえ…じゃあ俺と智は夢の中で恋人同士だったんだ…」
「そう」
「で、スーパーで喧嘩して俺がオナニーしてたら智が帰ってきてヤっちゃうって夢?」
「身も蓋も無いけど、簡単にいえばそうなる」
ふふっと和也は笑った。
「それっていつみた夢なの…?」
「お前の映画特番がテレビでやってたんだよ…だから…一昨年かな?」
「へえ…じゃあ俺のほうが、長く智のこと好きだね」
「…いつ…?」
和也は赤い顔をして俯いた。
「…15周年のハワイ…」
「なんで好きになってくれたんだよ」
「涙が綺麗だったから…」
そう言って和也はそっぽを向いた。
「何…照れてんだよ…」
「智こそ…なんで俺のこと好きになってくれたの?」
きゅっと握った手に力を入れてみた。
「ずっと…一緒に居るからじゃない…?」
和也がこちらを向いた。
じっとそのまま見つめ合った。
「そっか…俺も、そうかな…」
「うん…」
理由なんて…わからない。
ただ、一緒にいて、一緒に居たい…そう思ったんだ。
「それに…和也がちゅーしてくれたしね」
「あっ…恥ずかしい…」