第6章 蝶
さっきはどさくさに紛れてたけど…
「ちょっ…ちょっと待った!」
俺は相葉ちゃんの口を押さえた。
「ふぇ?」
「おっ…俺は、ニノの…和也のものになったからっ…」
「へ?」
翔ちゃんがマヌケな声を上げた。
「だから…もう、相葉ちゃんとこういうことはしないからっ…」
必死にもがいたけど相葉ちゃんは手を緩めてくれない。
それどころか翔ちゃんまで俺を羽交い締めにした。
「ぐ…ぐえぇ…」
「んー…説得力ないんだよね…アンタ達…」
「へ?」
「なんかおままごとみたいなんだよ…」
そういうと相葉ちゃんは俺をベッドに押し付けた。
「ニノも甘いよね…」
裸…
裸の相葉ちゃんが俺にのしかかってる。
振り解こうとしたら、腕を押さえられた。
その手には包帯。
「翔ちゃん!?」
「智くん…ほんと甘いよね…」
「な、なにやってんだよっ…離してよっ…」
一斉に二人にキスされた。
なっ…
なにが起こってる!?
相葉ちゃんが口に、翔ちゃんがまぶたに。
ふたりの唇は移動してる。
「や…やめて…」
相葉ちゃんの唇が俺の首筋を這ったら、今度は翔ちゃんが俺の唇を塞いだ。
パニックってこういうことなんだね…