第6章 蝶
切ない表情に変わった。
「智…」
そう呼ぶと、ぎゅっと抱きついてきた。
そのままぱっと離れてキッチンから出て行った。
暫く呆然とした。
名前、呼んだな…アイツ…
照れくさかった。
頭をぽりぽりと掻くと、飯を温めなおした。
ご飯が炊けていたから、相葉ちゃんの部屋に二人を呼びに行った。
相葉ちゃんはぎゅうっと翔ちゃんを抱きしめたまま寝ていた。
翔ちゃんも相葉ちゃんの胸に顔を埋めて微笑んで眠ってた。
これじゃホモカップルや…
そう思って、おかしくなってきたけど、笑いをこらえて二人を起こした。
「ご飯だよ。起きて?ふたりとも」
「ん…?あ…リーダー…」
相葉ちゃんが俺を抱き寄せたから、バランスを崩してふたりの上に崩れ落ちた。
翔ちゃんが俺を受け止めた。
「あ…智くん…」
その腕が温かかったから、安心した。
翔ちゃんが俺を抱きしめた。
ぎゅうううっと。
え?何してんだ?
「智くん…ありがとう…」
「あ…え…うん…」
「大好き…」
「あ、ありがと…」
何だろ…これ…
よくわからない状況だったけど、とりあえず礼を言っておいた。
「あーあ…しらねーぞ?リーダー…」
相葉ちゃんがひじ枕で呆れてる。
なんのことだ?
「まったく…無自覚にも程がある…」
相葉ちゃんが俺にキスをした。