第20章 特別編 シラユキヒメ
風呂場で眠ってしまった和也を抱えて二階の部屋へ上がった。
俺の部屋に入って、バスローブにくるんだままの和也をベッドに寝かせた。
タオルで髪を拭いて、パジャマ代わりのTシャツとスエットを着せる。
ドライヤー…どうしようかな。
自分も服を着ながら、軽く頭を乾かした。
「和也…髪、乾かすよ?」
「んぅ~…?」
「ちょっと煩いからね」
手早くドライヤーをかけ終わると、くたっと和也が腕に倒れこんできた。
「ねぇ…?」
「ん?」
「なんであんなに怒ったの?」
「わかんない?」
「…わかるけど…聞きたい…」
「ふふ…和也は俺のものだからだよ」
「んふ…」
「でもね…いいよ…?」
「え?」
「和也の心の赴くままで」
「智…」
「和也が俺に、そうしろって言ってくれたからね」
和也は身体をこちらに向けて、俺の顔を見た。
「さっきのはね。混ざりたかったから、ちょっと怒ったふりしちゃった」
「もう…おばか…」
「だって潤と和也、えろかったんだもん…」
和也はまっすぐに俺を見つめてきた。
女の子みたいな顔して、俺のこと見てる。