第6章 蝶
庭仕事で怪我したらいけないから買ってたんだって。
「よし、これで大丈夫」
翔ちゃんの手と足にラップのうえから包帯を巻き終わったら、また翔ちゃんの身体を温めた。
ベッドに入りきれないから、俺はそれをずっと眺めてた。
しっかし…
自分で始めたけど、凄い図だな…
嵐がベッドの中で裸で抱き合ってるぞ…
笑いがこみ上げてくる。
「ちょっと…なに一人で笑ってんのよ…」
ニノが恨めしそうにこちらを見る。
「いや…凄い図だなって思って…」
「あんたねぇ…」
起き上がろうとするのを手で制した。
「飯でも作るから、お前も寝とけ。かず…なり」
「え…」
恥ずかしかったから、そのまま背を向けて部屋を出た。
台所にいって、水を一気飲みした。
名前を読んだだけなのに…
なんか、すっごい緊張した。
バカだな…俺…
ニノのものになるって言ったのに。
肝心なコトはまだ伝えられてないし…
簡単な昼飯を作って、三人が起きてくるのを待ってたら、俺も寝てしまった。
キッチンの小上がりで、横になってたら完全爆睡した。
起きたら、ニノが隣で俺を覗きこんでた。
「わっ…」
にこっと笑うと、ゆっくりと俺にキスを落とした。
「大野さん…」