第6章 蝶
「あ…智くん…」
翔ちゃんが手を伸ばした。
それを掴むと、まだ冷たかった。
「どこいくの…?」
「やけどにつける薬もってくるから…」
「やだ…ここにいて…?」
「え?」
「翔ちゃん…俺とニノがいるから…」
相葉ちゃんがぎゅうっと翔ちゃんを抱き寄せた。
「ああ…ん…」
色っぽい声を出すから、俺達はびっくりした。
「智くんも傍に…」
「わかったから…ワセリンと包帯もってくるだけだから…」
「早く戻ってきて…?」
寝ぼけてるのかな…
「わかったよ…翔ちゃん」
そう言ってズボンを履いて、上着をひっかけた。
部屋まで戻って、まだ開けてないワセリンと包帯を持って階段を降りた。
相葉ちゃんの部屋に入ると、翔ちゃんはぐっすり眠ってた。
相葉ちゃんとニノが身体を起こして、やけどに薬を塗るのを手伝ってくれた。
「それってハンドクリームじゃないの?」
「ん、これは保湿するだけだからやけどにはいいの。あんまりいろんな成分はいってるのってよくないだって」
「へえ~…」
「やけどは乾燥したらだめなんだって。水ぶくれやぶれるから…だから保湿するの」
「わかった。手と…足だよね?あとは」
「うん」
包帯が足りなくなったから、相葉ちゃんが足してくれた。