第19章 天は藍よりも青く
「そっかあ…もう一年経つか…」
和也もハーブティーを飲むと、ふふっと笑った。
「早いね。時間が経つの」
「そうだな…」
庭に視線を戻すと、皆母屋に引き上げてくるところだった。
アトリエを見て、相葉ちゃんが手を振った。
それに気づいて、潤と翔ちゃんも手を振った。
俺は手を振り返すと、マグカップを皆に見せた。
翔ちゃんがOKサインを作って、笑顔を見せた。
植源さん親子と大角さんはそのままこっちに頭を下げて帰っていった。
暫くしたら、3人がアトリエに入ってきた。
「あー寒かったぁ!」
「あれ、エアコン入れてないの?」
電熱器にあたりながら、3人でぎゅうぎゅう押し合いしてる。
和也がハーブティーを入れると、3人は競うようにカップを受け取った。
「あったか~い!」
潤が鼻の頭を赤くしてはふはふしてる。
「何書いてるの?」
和也がスケッチブックを覗き込んだ。
「ん?皆のこと書いたの」
「俺とあなたがいないよ?」
「…いないものは書けない…」
ぶっと和也は噴き出した。
「あなたらしいわ…」
ふふっとふんわり笑って、こつんとおでこを俺にくっつけた。