第19章 天は藍よりも青く
座敷に戻って、布団を和也と一緒に畳んだ。
隅に布団を寄せておいて、ダンボールを改めて見た。
「智?」
「ん?」
「おばあちゃん、見てるかな?」
「…お前。乱交見られてたら嫌だぞ…」
「…まあね…」
苦笑いしながら、俺の肩に頭を載せた。
「…頑張ろうね…」
「…おう…」
そっと和也の腰に手を回して引き寄せた。
二人でいつまでもいつまでも、ダンボールを眺めていた。
ご飯を皆で食べてから、庭に出た。
植源さんに電話したら、午後から来るという。
それまで草を取ったりしながら過ごした。
2時頃になって、植源さんが到着した。
息子さんと大角さんも一緒だった。
庭の手入れをしてもらいながら、ダンボールの中身の話をした。
「へええ…坊ちゃんたちの物をねえ…」
「そりゃあ、坊ちゃんたち捨てちゃあなりませんよ?」
「当たり前だよ…捨てないよ…」
苦笑いしながら答えると、植源さんと大角さんはニコニコ笑った。
「あ、大角さん、そういえば…」
潤が家の手入れを大角さんに依頼している。
相葉ちゃんと和也が植源さん親子を呼んで、池の方へ歩いて行く。
俺は一人、楠木のベンチに腰掛けた。